【病気と遺伝子要因】
人は十人十色、様々な特徴を持って生まれてきます。その特徴を形作っている一つに、「DNAゲノム情報」があります。DNAゲノム情報を見ることで、その人の「病気のなりやすさも」見えてきます。
例えば、
糖尿病:遺伝要因73%
がん全般:遺伝要因33%
心房細動:遺伝要因62%
心房細動から引き起こされる「脳疾患」に注意が必要になります。
【遺伝子要因と生活習慣】
ゲノム情報は予防にも威力を発揮します
研究では、糖尿病になるリスクが
80%高くなるリスク遺伝子を持っている人に
毎日30分の有酸素運動を毎日行ってもらうと
糖尿病になるリスクが70%も下げることが
出来たという報告があります。
もちろん食事も関係はしてきますが
あらかじめリスクのある人でも予防すれば
リスクを下げることができるということ
になります。
遺伝要因をそのリスクを環境・生活習慣に
よって克服できるということになります。
【遺伝子要因と環境要因】
病気というのは「遺伝要因」と「環境要因」
の2つが関係して発症します。
生まれつき持っているものが「遺伝要因」
その後の人生で変化していくものが「環境要因」
となります
例えば
「ある一定のラインを超えたときに病気が発症する」
と仮定して
病気の遺伝要因をもって生まれてきた人は
持っていない人に比べ
そのラインに近づいた状態から人生がスタートします
しかし
病気の遺伝要因を持っていても
食事や運動などの生活習慣に気をつけていれば
「病気の発症リスクは低いまま」
でいられるということになります
逆を言うと
遺伝要因を持たずに生まれてきた人でも
生活習慣に長年に渡って気をつけなければ
「病気になってしまうリスクを高める」
ということになります
「遺伝子要因」に関しては
「先天的」であり変えることは出来ません
しかし
「環境要因」に関しては
「後天的」であり自分の生活習慣により
変えることが出来ます
変えられないものに目を向けるのではなく
自分の努力により
変えることに目を向けていく事が
重要になると思われます。
【環境要因のコントロール】
国立がん研究所の発表によれば
「がんのリスクを下げる5つの健康習慣として」
・禁煙
・節酒
・食生活の見直し
・適切な運動
・適正体重の維持
この5つに気をつけることで
男性で43%・女性で37%も
がんのリスクが低下するという
エビデンスが出ています
それに加え
ゲノム検査を行う事が出来れば
自分のゲノム情報が判明し
自分の「遺伝・体質」を調べ
早い段階から
病気になるリスクの可視化を行う事が出来ます
そうすることで
早いうちから積極的にリスクの高い病気に対して
注意して生活や健康診断を受けることで
早期発見や早期治療にもつながります
自分の健康に対して
より適切かつ効果的なリスクマネジメントが
予防から治療までトータルに行える時代
になってきています
検査を行うと
より精密にそして適切に病気に
対して対処できるということもありますが
検査を行わなくても生活習慣に
気をつけることで
病気のリスクを下げることは可能です
【メタボリックドミノ】
健康を損なっていくプロセスの中で
「メタボリックドミノ」
という考え方があります
ドミノ倒しのように
「1つが倒れると連鎖的に
他のドミノも倒れてしまう現象」で
疾患にも似たような傾向があるんです
始まりは「不規則な生活」や
「睡眠不足」・「高血圧」
であったりします
自覚症状では
「大した不調ではない」
と思うかもしれませんが
確実に病気の「危険因子」となり
それを放置することで
連鎖的・ドミノ式に体調が悪化し
循環器の機能がと徐々に低下し
「がん」「糖尿病」「脳卒中」
という病気にかかるリスクが向上します。
まとめ
病気の発生には
生まれ持った「遺伝子要因」と
その後の生活で変化する「環境要因」があり
遺伝子要因を知ることで
自分の病気になりやすさや知ることができる
しかし
環境要因である「生活習慣」を整えることで
遺伝子要因的に病気になりやすくても
予防することができる。
また
遺伝子要因の情報を知らなくても
生活習慣を整えることは病気の
発症に有効かつ重要になる。