水分摂取!現在の状況チェック!
・練習前後で大きく体重が減る
・のどが渇いてから飲む
・食欲が落ちている
・練習中の補給は水分摂取のみ
【練習時のチェック項目】
以下の4つのポイントに該当していないか、選手自身・指導者としてチェックしてみてください。
該当する場合は、今後の改善ポイントとして活用していきましょう!
① 練習前後で大きく体重が減っている
練習前に体重計に乗り、練習後にも再度体重計に乗ってみましょう。
体重が1.5%以上減少している場合は、水分不足のサインです。
「2kg痩せた!ラッキー!」と思うかもしれませんが、それは脂肪が減ったわけではなく、体内の水分が抜けているだけ。
トレーニング中の体重変化のほとんどは「水分量の変動」です。
② 喉が渇いてから水分補給している
「喉が渇いたと感じてから飲む」のは遅すぎるタイミングです。喉の渇きを感じる時点で、すでに軽度の脱水が始まっていることが多く、パフォーマンスにも影響します。
③ 最近、食欲が落ちている
気温が高い日が続くと、夏バテによる食欲低下が起こりやすくなります。「なんとなく食べられない」「食事量が減っている」と感じている選手はいませんか?エネルギー不足は、回復力や集中力の低下にもつながるため要注意です。
④ 練習中の水分補給が“水のみ”になっている
練習中に「水だけ」を飲んでいる選手はいませんか?
汗で失われるのは水分だけでなく、電解質(ナトリウムなど)も同時に失われます。長時間の練習や炎天下での活動長時間の練習や炎天下での活動では、水だけでは逆に脱水を悪化させるリスクがあります。
上記のチェック項目に1つでも当てはまる場合は、今後の行動を見直すサインです。
このあと、具体的な対策や改善方法をお伝えしますので、「そうすればいいのか」と納得しながら、実践につなげてもらえたら嬉しいです!
水分補給がなぜ大事か!?
1. 水分が足りないとどうなるの?
まず、練習中に水分が不足した状態で走ると、パフォーマンスに明確な影響が出ます。
体重の約2%の水分が失われると、持久系のパフォーマンスが低下します。これは「たった2%」と思うかもしれませんが、実は非常に大きな影響。
水分が減ると血液がドロドロになり、酸素や栄養素の運搬が遅れるため、心拍数が上がりやすくなります。
呼吸も上がりやすくなり、特に前半でバテる原因に。体重の約3%水分が失われると、瞬発系のパフォーマンスも低下します。つまり、自分の持つポテンシャルを十分に発揮できなくなってしまうのです。

2. 喉が渇いたら…それはもう遅い!
多くの人が「喉が渇いたら水を飲む」ですが、実際に喉の渇きを感じる時点で、すでに体重の約3%が失われている可能性があります。
つまり、「喉が渇く前にこまめに飲む」ことが重要なんです。
3. 水分が足りないと起こるリスク
体温調節ができなくなる
熱が体にこもりやすくなり、走っていて「すぐ暑くなって動けない」という選手も要注意。
脱水症状のリスク
ふらつき、けいれん、集中力の低下などが起こり、最悪の場合は競技続行不能に。
パフォーマンスの安定性が低下
脱水までいかなくても、パフォーマンスの波が激しくなります。

4. 実践できる「水分チェック」方法
練習前後の体重をチェック!
体重50kgの選手であれば、750g以上減っていれば注意サイン。減っていた場合は「水分補給が足りていなかったかも」と振り返り、次の練習で改善につなげましょう。

おしっこの色を見る
就寝前と朝起きたときのおしっこの色を比較。
朝の尿が濃ければ、寝ている間に脱水が進んでいた証拠です。
朝練がある場合は、起床後すぐに水分補給(スポーツドリンクなど)をしてから臨みましょう。

まとめ:水分補給は「準備」と「自己管理」
水分補給は、ただ「喉が渇いたから飲む」ものではありません。
体のパフォーマンスを100%発揮するための準備です。
・喉が渇く前に飲む
・体重・尿の色で自分の状態を確認
・自分の体をよく知り、整えた状態で練習に入る
この習慣が、日々の練習効果を高め、本番での安定したパフォーマンスにつながります。
スポーツドリンクは“ただの水”じゃない

1. スポーツドリンクに含まれるもの
スポーツドリンクには、水だけでなく糖質や塩分(電解質)といった
重要な栄養素が含まれています。
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糖質(主にブドウ糖など)
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ご飯、さつまいも、じゃがいもなどに含まれる“エネルギー源”
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運動時の「ガソリン」となる
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塩分(ナトリウムなどの電解質)
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筋肉や神経がスムーズに動くための“電気信号の伝達役”
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2. なぜわざわざ糖や塩を入れているの?
「味を美味しくするため」だけではありません。
これらの栄養素は、運動中に失われやすく、失うとパフォーマンスが落ちるからです。
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糖質が不足すると…
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エネルギー切れになり、バテやすくなる
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スピードや集中力の低下にもつながる
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塩分(ナトリウム)が不足すると…
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神経から筋肉への「動け!」という指令が届きにくくなる
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その結果、筋肉のけいれんや反応遅れの原因になる
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ひどい場合は熱中症や脱水症状のリスクも上昇
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3. 水やお茶との違い
飲み物含まれるもの特徴水・お茶基本は水分のみのどの渇きは潤せるが、栄養補給はできないスポーツドリンク水分+糖質+塩分(電解質)運動中に失われるエネルギーとミネラルを同時に補給します!
4. なぜ「すぐに補給」したいのか?
運動中は、汗と一緒に塩分も糖質も急速に失われていきます。
失ったまま運動を続けると…
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エネルギー切れ状態で無理に走る=「ガス欠状態で走る車」と同じ
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筋肉や神経がうまく動かなくなり、けいれん・脱力の原因に
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長時間続けば、熱中症やパフォーマンス崩壊にもつながる
だからこそ、すぐに吸収されやすい形で栄養を補えるように、スポーツドリンクが設計されているのです。
スポーツドリンクは、「ただの水」ではありません。
水では補えないエネルギー(糖質)や、筋肉・神経の働きを支える塩分を含み、
運動時のパフォーマンス維持に必要不可欠な役割を担っています。
これを知っているかどうかで、日々の練習や試合での結果も変わってくるかもしれません。
「飲むことも戦略のひとつ」と考えて、ぜひ意識して取り入れてみてください。

スポーツドリンクは薄めずそのまま飲む!
1. よくある誤解:「スポーツドリンクは甘いから薄めるべき?」
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「甘すぎるから水で薄めた方がいい」
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「糖質が多くて太るから薄めるべき」
…という声を聞くことがあります。
しかし、それはパフォーマンスを発揮するうえで逆効果です。
2. スポーツドリンクは“完成された設計”で作られている
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スポーツドリンクは、運動中に最も効率よく糖質と電解質(塩分)を吸収できる濃度で設計されています。
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商品ごとに科学的にバランスが取られており、「薄めてしまうと必要な栄養素の量が足りなくなる」可能性があります。
3. なぜ「そのまま飲む」ことが大切?
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運動中の体は、すばやく吸収できる“正確な濃度”を求めています。
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薄めることで:
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糖分や電解質が不足し、エネルギー補給が間に合わなくなる
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脱水やけいれんのリスクが高まる
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結果としてパフォーマンスが落ちる
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4. 甘さが気になるときの対処法
「甘すぎて飲みにくい…」と感じる人もいるかもしれません。
その場合は “スポーツドリンク+水”を両方持参 するのがオススメです。
・スポーツドリンクを飲んだ後に、水で口をすすいだり少し飲む
・交互に飲むことで甘さを中和できる
・それでも、スポーツドリンクは薄めず「原液」で摂取するのが基本

どんなときにどのスポーツドリンクを選べばいいの?
1. スポーツドリンクの種類と役割
スポーツドリンクにはいくつかのタイプがあり、それぞれ飲むタイミングや目的が異なります。
2. 運動前におすすめ:糖質しっかり系(アイソトニック飲料)
例:ポカリスエット・アクエリアスなど
特徴:甘みがあり、糖質を多く含む(エネルギー源として有効)
おすすめタイミング:運動前のエネルギー補給に最適ポイント:運動を始める前に体にガソリン(糖質)を入れておくイメージ

3. 運動中・運動後におすすめ:吸収重視系(ハイポトニック飲料)
例:イオンウォーター、アクエリアス ゼロ、アミノバリュー など
特徴:糖質が少なめ、浸透圧が低くて水分の吸収が速い
おすすめタイミング:暑い日の運動中
運動後の素早いリカバリー
目印:最近は「ハイポトニック」と表記されているものも多い

4. 特別なケース:経口補水液(OS-1・アクアサポートなど)
特徴:塩分(電解質)濃度が非常に高く、医療寄りの飲料
おすすめタイミング:熱中症になってしまった後の回復用
注意点:価格も高め
日常的・予防的に飲む必要はない
「念のため」持参する程度でOK
5. 基本のおすすめは?
迷ったら「ポカリスエット」または「アクエリアス」でOK!
運動前も運動中も使える「オールラウンダー」
そこまで長時間の運動でなければ、1本で使い分けなくても問題なし
6. 甘みが気になる人は?
甘さが気になるときは、水と一緒に持参
交互に飲んでバランスをとる
薄めるのではなく、「水も一緒に飲む」が基本
7. まずは「飲む習慣」から始めましょう
手作りドリンクの方法もありますが、まずは市販のものから始めましょう。重要なのは、適切なタイミングで十分な量を正しい濃度で補給すること
スポーツドリンクは冷やして持ち運ぶ工夫を
試合中や練習中に、選手がペットボトルをそのまま持ち歩いているのをよく見かけます。
冷蔵庫から出した状態のまま持ってきて、時間が経つにつれてどんどんぬるくなってしまうんです。
しかし実は、冷えた状態のスポーツドリンクのほうが、水分の吸収スピードも高まり、体温の上昇も抑える効果があると言われています。
だからこそ、できるだけ冷えたままの状態を保つことが重要です。
そのためにも、次のような工夫をおすすめします
ペットボトルを保冷バッグや保冷ボトルに入れる
100円ショップなどで手に入る保冷ケース(内側が銀色になっているようなもの)を活用する
クーラーボックスや保冷剤を使って冷たさを長持ちさせる
「ペットボトルをそのまま持っていく」のは簡単ですが、それだけでは大切な吸収効率や冷却効果を十分に活かせません。ほんの少しの準備で、パフォーマンスをサポートできるので、ぜひ冷えた状態をキープする工夫をしてみてください。

まとめ|水分補給を侮るべからず
ざっくりとではありますが、今回の内容はいかがだったでしょうか?
「水分補給」というテーマひとつを取っても、実はさまざまな角度からお話しすることができます。
スポーツドリンクの種類やタイミング、冷えた状態での持ち運び、飲み方の工夫など、日々の練習や試合の中ですぐに実践できることばかりです。
そして今日一番お伝えしたかったことは、「水分補給を侮るべからず」ということ。
しっかりと水分補給を行うことで、心拍数の安定や、栄養素の吸収効率の向上にもつながります。また、水分補給がしっかりできているかどうかは、冷えた状態で飲めているか、練習前後の体重変化、尿の色や量などでもチェックすることができます。
まずは、「自分が今すぐ変えられる水分補給のポイント」を1つでも意識してみてください。
最後までご購読して頂きありがとうございました。